夏の節目のご挨拶。ささやかな暑中見舞いを届けてみませんか

1年の折り返し地点を迎え、夏のご挨拶をする節目の時候となりました。
お中元を贈るほどかしこまった間柄でなくとも、近況報告と残り半年への励ましの意味を込め、大切な人へちょっとした贈りものをしてみませんか?
季節の節目を大切に、贈る相手を思いやる贈りもの文化は、これから先も大切にしていきたい日本の風習です。

今日は、夏の贈りものにおすすめの暮らしの道具たちを紹介します。

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細く長く幸せが続きますように。夏の縁起もの、そうめんを贈る

夏の贈りものと言えば、まず思い浮かぶのがそうめんです。
お中元に好まれるのは、形状が細く長く簡単には麺が切れないために、縁起物として好まれていたことが理由なのだそう。お中元の定番ですが、意味までは知らないという人も多いのではないでしょうか。
今年は一筆添えることで、さらに気持ちが伝わる贈りものになるかもしれません。

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夏の思い出を贈りものに。日本の手花火

繊細で美しい火花を楽しむ時間は、夏を満喫した気分をもたらしてくれます。
年を重ねても「花火」と聞くと条件反射のようにわくわくしてしまう人は少なくないはず。夏を楽しむ夕涼みの時間を贈ってみませんか。

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暑い夏を小粋に乗り切る、外出時のお守りを贈る

年々暑くなる夏。日差し対策で持ち歩くものも増えているように思います。
かさ張らず気軽に持てる扇子は外出時のお守りのようなもの。
さっと開いたときに装いと合っていてこそ、粋を感じるものです。日傘までは中々難しくとも、せめて小物は装いに合わせて変えたいところ。
何本あっても困らない扇子は、夏の贈りものにぴったりの暮らしの道具です。

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夏場のささやかな贈りものには、ふきんがおすすめです

夏場の贈りものは、ほかの季節より気を遣うものです。
相手の負担にならないささやかなものと考えると消耗品を選びたいところですが、気温が高いので食べものを選ぶと傷むのが心配。すぐに冷蔵庫・冷凍庫へ入れなくてはならないものだと保管に困ってしまうことも。
消耗品なので気軽に贈れて、持ち歩きにかさばらない花ふきんは、夏場のちょっとした贈りものにおすすめです。

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夏らしい香りを添えて、いつもと違う暑中見舞いを。

お中元、とまでいかずとも、近況を知らせる便りを届けてみてはいかがでしょうか。
昨今手紙をいただく機会も減り、ともすれば手紙自体が贈りものになり得るようにも思います。
手紙を開けた瞬間、夏らしい香りがふっと香る。「文香」とともに贈れば、季節感や気持ちが一層伝わる贈りものになりそうです。

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定められた記念日がなくとも、季節の移り変わりに合わせて気持ちを形に表して届ける。四季のある日本らしい風習です。
暦が教えてくれる暮らしかたを大切に、日頃の感謝をこめて贈りものをしてみてはいかがでしょうか。

それでは、次回もお楽しみに。

香りをたのしむ蚊取り線香。使い切りに便利な小さな「蚊とり香」の魅力

カラフルな小さな蚊取り線香、“いい仕事”してくれます

青々とした草木の様子や虫の声など、生き物たちの生命力を感じるこの季節。虫除けの対策もしたくなるところです。

せっかく用意するなら、かわいらしいものはないかしら?と思っていたらこんなものを見つけました。

ほのかに香り漂う小巻タイプの蚊とり線香です。赤は朝顔、緑は西瓜、黄は柑橘系、青は海風と、色により香りが異なっていて、柔らかく優しい香りで虫を遠ざけてくれます。1巻が約2時間の燃焼時間なので、ちょっとした屋外でのひとときのお供として活躍しそうです。

先人の知恵と、自然由来の成分を活かして

製造は、紀州に根差した100年企業「紀陽除虫菊 (きようじょちゅうぎく) 株式会社」。

社名にも入っている除虫菊は、虫が嫌う成分が含まれている部位があり、茎を火にくべるだけでも除虫効果を発揮するといわれているそうです。その除虫菊からつくられた粉末を主成分に、昔ながらの製法の蚊とり線香をつくり続けています。

製品の質を決定づける除虫菊の粉末と燃焼を安定させる木粉、粉同士をつなぐための粉などを配合する作業は今でも職人さんが担当し、品質を保っているのだとか。

丁寧につくられている様子が伺えます。そうしてつくり続けてきた蚊とり線香に香りのエッセンスを加えて生まれたのが「蚊とり香」なのだそうです。

お出かけのお供としても、ちょっとしたお土産としても喜ばれそうな小さな蚊とり線香。優しい香りで、夏のひとときが楽しめそうです。

<掲載商品>
蚊とり香

文・写真:小俣荘子


—— なにもなにも ちひさきものは みなうつくし
清少納言『枕草子』の151段、「うつくしきもの」の一節です。
小さな木の実、ぷにぷにの赤ちゃんの手、ころっころの小犬。
そう、小さいものはなんでもみんな、かわいらしい。

こちらは、日本で丁寧につくられた、小さくてかわいいものを紹介する連載「ちひさきものは、みなうつくし」から、2017年7月3日の記事を再編集して掲載しました。

お中元・お歳暮はなぜ贈る?起源と歴史、現代のルールを知る

6月も半ばを過ぎ、駅やデパートなどで「お中元」の言葉をよく目にするようになってきました。近年では、虚礼廃止ということで企業間のお中元・お歳暮のやりとりは減ってきたものの、やはり「お世話になった方に感謝の気持ちを伝えたい」「夏のご挨拶として贈りたい」と考える方は多く、年間を通じての贈答品の割合データを見るとお中元・お歳暮の時期が最も多くなっています (総務省2015年11月家計調査) 。

思いのこもった贈りものは、やはり嬉しいもの。今日は、お中元・お歳暮の起源や歴史、現代に残るしきたりなどをご紹介します。

お中元の起源

お中元の由来は中国の暦にあります。中国では、古代から旧暦で上元 (1月15日) 、中元 (7月15日) 、下元 (10月15日) の3つにわける歴法があり、道教の教えから中元の日に神様にお供え物をした人は罪を赦されると信じられていました。仏教の影響から盂蘭盆 (うらぼん) の行事と結びついてご先祖様を供養する日になったと言われています。

これが日本に渡りました。日本にも、1年を1月と7月で2つに分けて祖霊を祀るという考え方があったことから、お中元・お歳暮が年中行事として定着していったと言われています。

現代のような、ものを贈りあうスタイルとなったのは、祖霊など神へのお供え物を人々で共に食べる「共食 (きょうしょく) 」をするために配ったり、贈ったりしたことが始まりと考えられています。

主な品目が食料品になったわけ

民俗学者の柳田国男の説によると、餅・米・酒といった食材には特別な力があると考えられていたため、祭りなどのハレの日の祝宴におけるお供えとして用いられ、お供えものを人々で分かち合って食べることで、神と人間との共同飲食をするということが贈答の重要な目的だったと言います。

そのため、ハレの日の食べ物が贈答品として用いられることが慣例となっていきました。

また、交際の観点から柳田国男の研究を引き継いだ和歌森太郎によると、贈答は、お互いに1つの火で煮炊きしたものを分け合うことを簡略化したものであり、そうした食物を共同で飲食することが「つきあい」になると人々が考えたためと言われています。

祭りの場に参加できない人に食料を贈ることは、直接居合わせない人との共食を意味するようになったのです。宗教的な意味合いでの共食に加え、交際の意味合いでも贈答は大事な役割を持ちました。村落社会の中で、個人間、家族・親族や近隣とのつながりを強く持つことになり、共同体意識を高める視点からの共食に発展し、そのことがコミュニティにおける秩序維持の効果もあったと考えられています。

現代では、共食というような本来の意味はほとんど意識されなくなっていますが、依然として食料品がお中元・お歳暮の主な品目として使われていることはこの名残なのかもしれませんね。

お中元の歴史

お供え物を人々で分かち合う共食から始まったと考えられる風習が、次第に、親や仲人、上司などの目上の方、親戚や知人に対して主に餅や米、麺類、酒などの食料を贈る贈答習慣として定着していきました。

15世紀ころにからは、生見玉 (いきみたま) と称して、故人だけでなく、健在である親の無病息災を祈って魚類を贈ることも各地で盛んに行われるように。また、江戸時代になると、商人たちが決算期である中元や歳暮の時期に、お得意先に対して手ぬぐいなどの粗品を配ったことも贈答の活性化につながったと言われます。宗教的意味合いでの贈答時期と、商人たちの配り物習慣の時期が重なったことで、それらが混ざり合っていき、しだいに中元や歳暮という言葉自体が贈答を表す意味へと移り変わって、一般庶民の贈答行事へと広まり現代のお中元の形になりました。

そうして出来上がった贈答習慣としてのお中元。本格的に盛んになったのは明治以降とされています。東京や大阪などの大都市への人口集中にともない、人々の交際範囲が拡大したこと、産業化により中元・歳暮の商品化が開始されたことによります。また、日清・日露戦争後の好景気の時期に次々と生まれたデパートの発展が大きく影響しています。

新聞や雑誌で大々的にお中元・お歳暮向け商品や商品切手 (現代の商品券にあたるもの) の広告を打ち出し、都市部の人々の間に浸透していきました。人々の生活が村社会から、都市型に移り変わったことによって、交際範囲が広がり、各地域ごとの狭い範囲でのルールや相場では対応できなくなり、世間の相場となるような指標を失ってしまっていました。何をどれくらい贈るべきか、デパートの提案が1つの指標として機能した面もあるようです。

現代における、ルールやしきたり

都市化が進み、かつての村落社会でのルールや役割ではない新たな枠組みの中での交換が増えていった明治時代以降のお中元。時代に合わせて少しずつ形を変えながらも現代に受け継がれています。諸説あり、地域やコミュニティによって異なるところが多いのも事実ですが、基本となる部分についてご紹介します。

◆贈る時期
現代では、1年の上半期の感謝の気持ちを込めて7月の初めから15日の間に贈ることが一般的です。ただし、7月に集中して届くことを避ける意図から6月中旬から贈りものを始める事も多くなりました。全国的に見ると、7月1日から15日の間、もしくは8月1日から15日の間に贈ることが多いようですが、地方や地域によって異なっています。一般には、お盆の行事を月遅れで行うところではお中元も月遅れで贈ることが多いと言われますが、関東地方では、お盆は月遅れで行い、お中元は7月15日までに贈ることが多いようです。感謝の気持ちを贈ることが重要なお中元。贈り先の習慣が不明な場合は一般的な時期に贈れば問題ありません。

◆挨拶状
本来、お中元の品は相手に直接お届けするのが基本でしたが、現代ではデパートや産地から直送するケースも増えています。心を込めた贈りもの。その気持ちをお伝えしたい時には別便で挨拶状を出すと良いでしょう。またお中元を受け取った際には、すぐに礼状を書いて送ります。現代では、電話で直接声を届けたり、メールなどインターネットを使ったカジュアルなやり取りで十分な場合もあります。相手との関係性で適度なツールを使って気持ちを伝えたいですね。

◆贈る期間
お中元は、基本的に毎年贈るものです。翌年に贈る予定はなく、特にお世話になった方に今年感謝の気持ちを伝えたい場合は「御礼」「こころばかり」などの表書きで贈ると良いでしょう。
◆熨斗 (のし) ・表書き
熨斗は、紅白花結びののし紙、のし付き短冊で贈ります。
表書きは「御中元」や「お中元」とします。お中元を贈る時期が遅くなってしまった場合は「暑中御伺」として贈り、暦の上では立秋を過ぎても残暑が厳しい時などは9月初旬までは「残暑御伺」の表書きでお届けします。お中元をいただいた際は基本的にお礼状の送付のみでお返しは不要ですが、何かお返しする場合は、お返しとは書かずに「お中元」と表書きして半額程度のものを目安に贈るとよいとされています。

紅白花結びののし紙

現代らしい、心をこめた贈りものを

日本の贈答文化は広く、1年を通して数々の贈答習慣があります。誕生日のお祝いやバレンタイン、クリスマスなどイベント事と合わせたものから、お中元・お歳暮のような贈答そのものが習慣となっているものまで様々です。

虚礼廃止が謳われる中、今なお残るお中元の習慣。贈る相手に変化が表れているようです。企業間などお付き合いとしてのやりとりは減少傾向にあり、現代の贈り先の多くは、両親や親族、お世話になった方など、日頃の感謝を伝えたい「気持ちを贈りたい相手」が中心となってきています。

大切な方への素直な気持ちが表れた現代のお中元。贈りものは贈る側も受け取る側も心が温かくなるもの。気持ちの良いお付き合いを続けていきたいものですね。

<関連特集>

<参考文献>
『生活文化を学ぶ人のために』 世界思想社 編者・石川実、井上忠司 (1998年)
『冠婚葬祭の作法』 (株) グラフ社 編者・西本祐子 (2003年)
『こんなときどうする? 冠婚葬祭 伊勢丹の最新儀式110番』 (株) 誠文堂新光社 著者・ (株) 伊勢丹 (2009年)
『暮らしの中の民俗学2』 (株)吉川弘文館 編者・新谷尚紀、波平恵美子、湯川洋司 (2003年)
「ギフト市場白書 2016」 矢野経済研究所 (2016年)


文:小俣荘子

※こちらは、2017年6月21日の記事を再編集して公開しました。